実る努力、実ならない努力

こんにちわ。株式会社Coach For All、すべての人にコーチングを受けられる環境を提供したい、佐々木です。初回では夢を持ってはいけませんというタイトルでご紹介しました。2回目となる今回は「実る努力、実らない努力」について解説します。

前回は夢に日付けを入れて目標にする。そうすると定期的なフィードバックをするようになるから、おのずと目標達成に近づけるというお話をしました。それを聞くと

「時間が大切なことくらい昔からわかってる。努力もしてる。でも、その努力が実らないから継続できないんだ」

そんな声が聞こえてきそうです。努力の継続、私も含めすべての人が持つテーマですね。

「勉強をやっても成績が伸びない」
「友達を作ろうとしてもできない」
「部活でレギュラーになれない」

実は目標を掲げたとしても、結果を出すことが難しいパターンがあります。今回はみなさんが努力をすることをあきらめないように、目標設定について説明してみましょう。努力しても結果が出ない理由には6つあります。

努力が実らない理由その1 「目標設定が間違っている」

私自身、モチベーションが専門なので、時間をかければ人がイメージできることは大体実現できるというポジティブシンカーなんですが、それでも無理なことはあります。

ひとつは身体的な能力に乖離のある目標設定。NBAの八村選手のダンクシュートが格好いいからといって、160センチの人間がダンクをしようとしても難しいですね。(165センチの人のダンクは動画で見たことがあります)あと、スポーツは持って生まれたセンスや筋肉量というのが大きく関係するので限界があります。イチロー選手と同じ練習をしたからといってイチローになれるわけではありません。しかしプロに入って1軍登録になる348名には入れるチャンスはあるでしょう。

同様に知能的な能力にも限界があります。日本では「勉強しない子は努力をしない子」というレッテルを貼られますが、学力は環境要因よりもIQに代表される先天的な能力が大きく影響することが世界の通説です。しかしこれも自然法則を解明しノーベル賞を受賞するのは難しくても、学年でトップ10に入るくらいなら努力の質を改善し量を増やせば十分に可能な目標になると思います。

2つ目の理由。「期限の設定に無理がある」
高1の偏差値40の生徒が偏差値70の大学を目指すことはよいと思いますが、高3で偏差値40だとかなり厳しいですね。目標設定の期限に無理があると達成できません。

ここでひとつ重要なことは、ものごとを習得するためには最初に停滞の時間を我慢しなくてはならないということです。つまり練習や学習の量を増やせば、増やした分成果としてすぐに顕在化するわけではないということ。いわゆる「学習曲線」というもので、「英語の勉強をはじめたけど点数が伸びない」「ダイエットをはじめたけど痩せない」「ブログをはじめたけどアクセスが増えない」などの理由で辞めるのはもったいないことです。

実際、結果には反映されなくても努力した分単語は確実に記憶されているわけですし、ダイエット体質にはなっています。著名なブロガーやユーチューバーも口をそろえて最初から右肩上がりに閲覧者が増えていったわけではないといっています。

瓶に水を垂らすことを想像してください。そとから見るとどのくらい水がたまったかわからないから途中で心が折れそうになります。しかし垂らした水は必ず水位として反映されていることは想像のとおりです。いつか必ず一気に溢れる日が来ます。それを信じて継続できるか否かの問題です。

3つ目の理由。「数値化できないものを目標にしている」
芸術などがその典型です。自分は最高の音楽を作ったつもりでも、評価をしてくれる人のフィルターに通らないと次のステージにはいけません。著名なアーチストが路上ライブから成功した物語が美談として喧伝されていますが、やはりそこでも演奏していた音楽とたまたま通りがかった音楽関係者の感性の一致がなければ次のステージにはいけなかったわけです。

逆に一度第三者評価を獲得できれば、人は定量評価を伴わない芸術作品でも「あの人が制作したものだから」とバイアスがかかり継続的な評価を獲得することができます。最初のゼロイチが難しい。生活基盤が別にあれば目標を追い続けるのもいいと思いますが、それだけだと疲弊します。この場合結果を出す期限を決めてそこまで死に物狂いで活動するか、生活設計は別にもち、空いた時間に自己研磨してチャンスが来るのを待つか、どっちかですね。

4つ目の理由。「やり方が間違っている」
たとえば就活でよくやる間違いは大人に相談せず自分ひとりで取り組むパターン。これ、なかなか結果がでません。大人目線で就活しないと、志望理由一つとっても自分はこうですああですばかり強調して企業にはぜんぜん刺さらない。よくある間違いは、志望理由の書き方みたいなテクニカル的な本を1冊かってそこで紹介している事例をそのままコピーするとかです。たとえば「私は納豆です。どんなことにも粘り強く対応します」といったものが象徴的ですね。企業の採用担当からすれば「あら、また納豆かぁ・・」と。

大人に相談すれば、同じ粘り強い性格をアピールするにも他の言い方や、学生の他の強みを掛け合わせた別な表現ができるわけです。もっといえば私の専門とするコーチングで対話すれば、本人さえも気づいていない体験や特技が自己PRの素材として引き出されるケースが山ほどあります。学生だけで取り組むと本人のよさの半分も出せていないといっていい。志望理由や自己PRが大人に添削してもらうだけで5割増し、コーチングを受けると2倍、3倍に質が向上します。

私の肌感覚だと、学生が一人で取り組んで内定もらえないパターンは、実は結構意識高い系の学生に多い。この矛盾わかりますか?つまり、彼らは自分でも結構いけてると感じているので、一人で何とかなると思っているんです。一方、学生時代に特に目立った活動もせず、自己肯定感も低い人間はまず大人に相談する。そうすると、意外と早く内定取ったりするものです。まぁ、本人があまり高望みしていないという背景もありますが。

努力しても結果が出ない5つ目の理由。「信じていない」
目標掲げても本気で信じていないということです。みなさん、一流のスポーツ選手がイメージトレーニングしていることは承知だと思います。なぜでしょう。脳は現実と非現実を区別できないという特徴があります。一つみなさんにテストしてみましょう。手のひらにレモンが乗ってるところを想像してみてください。そしてそのレモンを思いっきり皮ごとガブッとかんでもぐもぐもぐしてみてください。なにか口の中に変化が起こりましたか?多くの方が唾液が口の中に分泌されることを感じたのではないでしょうか。感じていない?それは本気でやってないか、神経が退化している証拠です。(笑)

極端な言い方をすれば、このように体は現実に関係なく脳が指令したとおりに動くということです。だからアスリートは懸命にイメトレをします。もちろん、イメトレしたからといって勝てるわけではありません。それはそうです。すべての選手がやるわけですから、それは十分条件ではありません。しかし間違いなく最低条件です。脳にイメージを刷り込んでいるからこそ、5センチ先のボールに手が届いたり、最後の0.5秒で差をつけたり、9回裏Ⅱアウトからでも逆転劇が起こるんです。

私の知人のスポーツ専門のコーチは、スタジオを持っていてそこで陸上の選手にイメトレをしています。コーチは選手に「いまどんな歓声が聞こえる?隣の選手はどんなアップしてる?スターターは何してる?」等、実際のトラックで目にするシーンをイメージさせます。そして実際にタイムを計って走るイメージをする。ゴールしたイメージを持つときには汗が出てくるところまで高めるといっていました。そこまで強烈にイメージすると脳が指令を出す。初見のテストで難問に見えても「できる、できる、できる」と念じて問題に向き合えば、少しづつ解法の糸口が見つかることがあります。「こりゃだめだ」と思った瞬間勝負は決まっています。同じ学力の人間がテストを受けているわけですから、そのわずかな自信の差が合否を決めるといって過言ではありません。

努力をしても結果が出ない6つ目の理由。「本気でない」
前回のビデオでもお伝えしましたが、夢というのは日付がついていませんから本気になれないわけです。日付けを入れた瞬間に本気モードにスイッチが入ります。

ところが、先ほどお伝えしたとおり、できると100%信じていないから本気になれない。ちなみに今年立てた1年の計にむけて何パーセントくらいの力で取り組んでいますか。こう聞くと多くの人は100%とは言わない。というか、いえない。本気じゃないからです。

たとえば学校という限定された空間で、限定された学習内容で、限定された範囲で出されるテストは、本気になれば必ず点数は上がるはずなんです。なぜか。9割の人が本気で取り組んでいないから。間違いない。

1学期の成績の平均が「3」 で、2学期は「4」にしようと目標をかかげたとする。複数の科目を平均的に上げなくてはならないから、そー簡単なことではありませんね。でも、やることって、そんなに難しいことじゃないはずです。予習復習を毎日必ず2時間取り組む。
授業でわからないことがあったら、必ずその日のうちに先生に聞きに行く。自分が決めた遊び時間以外の誘いは、全て断る。これ以外に思いあたることはありません。これで十分なんです。かつて都内の中学校1学年に目標設定させて毎日振り返りさせたところ、劇的に定期考査の試験の点数が向上しました。校長の元に銭湯を経営する保護者から

「先生、ここ数日、息子が友達集めて銭湯の上の部屋借りて勉強してるんだが、学校で何かあったんですか?あんな姿見たことありません」

と。スイッチが入れば子どもたちは順応性が高いから大きく伸びます。

いかがでしょうか。これらを総合すると、適切な目標なら、信じて本気で取り組めばかなりの確率で期待した成果を手に入れることができるということです。是非お試しください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です